上位陣が尽く下位に沈むという波乱の予選となった今年の日本GPですが、優勝したのはなんと最後尾スタートのライコネン。まあ上位には上がってくるとは思っていましたが、まさか優勝するとは…。ルノーすら寄せ付けない次元の違う速さを見せ付け、なにか今季のマクラーレンの速さを象徴するかのようなレースでした。
ただ、今回モントーヤがヴィルヌーヴに押し出されるような形でクラッシュしてしまい(クラッシュの原因を作ったヴィルヌーヴには25秒加算のペナルティ)、2、3フィニッシュを決めたルノーにコンストラクターズポイントで再び逆転を許しています。コンストラクターズチャンピオン争いは最後まで目が離せませんね。
一方、フェラーリのM・シューマッハは14番手スタートから7位入賞しましたが、ファンとしては目を覆いたくなるようなシーンが満載でした…。マシンの性能に大きな差があるとはいえ、アロンソ、ライコネンという新世代のドライバーに次々と抜かれるシーンはあまり見たくはなかったですね。しかもアロンソには2回抜かれてますからね。ただ、あれだけのスピード差があってもあそこまで押さえられるというのは、シューマッハだからこそだと思います。あれを見る限り引退なんかまだまだ先です(…と思いたい)。ほんと来季は、いいマシン作ってくれフェラーリ!来季はライコネンやアロンソとの本当の勝負を見たいです。
そして、地元という事で、期待が掛かっていたホンダ、トヨタ陣営(ブリヂストンもですが)。予選はかなり期待できそうな内容だったんですが、結果は散々でした。まずポールスタートを切ったラルフは3ストップで逃げ切りを図るという作戦だったようですが、序盤のセーフティカー導入で完全に作戦失敗に終わり、入賞はしたものの8位と期待外れに終わってしまいました。2番手スタートのバトンも一時はトップに立ち、1回目の給油時間が長かったため、1ストップなら初優勝の可能もあったのですが、実は給油トラブルがあった事が発覚。結局もう1度ピットに入る事になり5位に終わっています。
さらに一番最悪だったのが佐藤琢磨。スタート直後の1コーナーでコースアウトしてしまい、同じくコースアウトしてきたバリチェロと接触してしまいます。これによりフロントウィングを損傷してしまい、交換のために緊急ピットインするはめになります。しかし、彼の悪夢はこれだけでは終わりませんでした。10周目、大きく順位を落とし、焦ったのかトゥルーリを無理にオーバーテイクしようとして、再び接触。琢磨は復帰できましたが、トゥルーリはそのままリタイヤとなってしまいました。地元のホンダとトヨタの接触…一番見たくなかったシーンでした。レース後、当然、この接触の原因は琢磨側にあるとされ、リザルト取り消し処分が言い渡されています。
この間、M・シューマッハとの件でペナルティをくらったばかりなんですが、またやってしまいました。今季はわずか1ポイントと結果を残せていないだけに、彼なりに焦りを感じているのかもしれません。今の琢磨の走りはアグレッシブと言うより、ただ強引なだけで非常に危険です。モータースポーツは常に危険と隣り合わせのスポーツなので、勝負の世界とはいえ、オーバーテイクする時もそれなりの礼儀が必要だと思います。このような行為が続くようだと、レースをする資格すら疑われてきます。ただ、決して彼がこのまま消えていくようなドライバーだとは思っていません。今の状態は彼にとっての試練なのかもしれません。あのM・シューマッハも若い頃、強引な走りでセナに怒鳴り込まれた事もありますしね(笑)。次戦は最終戦、中国GPです。何とかまた以前のような周りをワクワクさせるような琢磨らしいレースを見せて欲しいです。
レース結果
1 ライコネン(マクラーレン)
2 フィジケラ(ルノー)
3 アロンソ(ルノー)
4 ウェバー(ウィリアムズ)
5 バトン(B・A・R)
6 クルサード(レッドブル)
7 M・シューマッハ(フェラーリ)
8 R・シューマッハ(トヨタ)
9 クリエン(レッドブル)
10 マッサ(ザウバー)
11 バリチェロ(フェラーリ)
12 ヴィルヌーヴ(ザウバー)
13 モンテイロ(ジョーダン)
14 ドーンボス(ミナルディ)
15 カーティケヤン(ジョーダン)
16 アルバース(ミナルディ)